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公認会計士 福地徳恭

原発事故レベル7発表に思うこと(愛しき福島へ)

昨日、今回の福島原発事故がIAEAが定める原発の事故レベル7(最高値)であると、原子力安全保安院が訂正発表した。今までの累積放射線量からして、レベル7相当の深刻な放出量だと判断したという。これについては、日本で最初レベル4そしてすぐに5であると発表されたが諸外国では早い段階からレベル6相当ではないかと報道されていたようだ。また、ネット上ではチェルノブイリ以上の深刻な事態であるとのうわさがかなり流れていたようだ。だから、昨日の発表はこれらを知っていた人にとっては「やっぱりそうか。」と大した驚きは無かったのではないかと思う。

私は、放射線の情報が錯綜していて、どれが本当に正しいのかよく分からないというのが今の考えだ。しかも、何故このタイミングでレベル7だと訂正したのか、その趣旨も不明だ。少なくとも、相当深刻な事態なことだけは間違いない。ただ、チェルノブイリの現状をネットなどから知ると、福島もそれと同じ道をたどるのではないかと思うと非常に淋しい気持ちでいっぱいだ。

チェルノブイリの今は、事故原発の30km圏内は相変わらず立ち入り禁止であり、当時の建物等がそのまま残っていながら無人の静かな町(村)となっているそうだ。しかし、境界線あたりでは今も放射能物質の広がりを防ぐべくそれに立ち向かい従事している原発対策労働者が多数、黙々と戦っているらしい。福島県の未来はどうなるのだろうか。私は個人的に東北地方が大好きで、その入り口にあるのが福島県だ。東西に広大な県で、東に海が広がりいわきなど重要な漁港がいくつもある。中央には飯坂温泉や白濁で知られる高湯温泉など素晴らしい温泉観光地がたくさんある。そして西には、古き良き時代を映す会津地方が広がる。農作物もたくさん取れ、首都圏へ重要な役割を果たしていると言える。そんな福島がチェルノブイリのように、原発が石棺で覆われ立ち入り禁止区域が何十キロという圏内にでき、それ以外の地域も放射能で汚染された町村として皆近づかなくなる地帯になってしまうのか?なんて淋しいことだ。

読者の皆さまからお叱りを受けてしまうかもしれない、「淋しい」とか個人が感傷に浸っている場合ではなくて、そこに実際に住んでいらっしゃる住民の方の問題はもっと深刻だろう!と。おっしゃるとおりかもしれないが、今の私にはそんな現実的な問題を分析できる余裕は無く、ただ、福島=放射能汚染(死の町)という言葉で括られてしまうのか、捨て去られてしまうのか、これが何ともやるせない気持ちでいっぱいなのだ。だから、この美しい素晴らしき福島を地獄に落としてしまうだろう今回の原発事故、そのことを日本国民は肝に銘じなければならない、それをよく覚えておくべきだ、そのことだけを強く書き残しておきたい。

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