私の3日前の断言を見事に裏切る結果となった。全く驚愕の結果だ。これは、歴史に残る決定だと思うので以下の私の想いを3点書いておきたい。
1.最大の懸案である福島原発事故の放射能汚染の問題。最終アピールの場でも何度も世界各国から放射能汚染の心配が東京に全くないのか、どうして証明できるのかを責められた。それに対し、安倍首相は世界に報道されているテレビ中継の前で、「私が大丈夫だと保証します。必ず対処すると私が保証します。」と宣言した。これで、少なくとも安倍首相はオリンピック開催のため、福島原発問題と正面を切って取り組まざるを得なくなった。このことは、今後の日本のため、そして、放射能問題に最も苦しんでいる福島県民にとって大きな助けになると期待したい。その意味で、オリンピック東京開催決定は、この原発事故問題解決のための歴史的転換点となるのではないかと思う。
2.次に、この決定は、世界が放射能汚染地域に初めてオリンピック開催地を承認した歴史的日になったことだ。私が思うのは、これは世界が原発事故による放射能汚染は決して日本だけの問題でなくどの国でも起こりうる問題であり、世界が今後克服していかなければならない共通の問題だということを認識した日として、歴史に残る決定となったということである。たとえそれが、ライバルのマドリッドやイスタンブールが自滅したのが原因だったとしても、である。さらに言えば、決まった以上、東京開催が無事に進むよう、世界も日本の原発事故問題解決に良くも悪くも手を貸さざるを得なくなったという歴史的日ということになった。
3.最後に、何といっても福島である。さっそく今朝の報道で、福島の県民も東京開催決定を喜んでいるという発言をしたタレントがいたが、本当に原発事故の地元である福島の復興なくして東京だけが潤う事態だけは避けるべきである。東京オリンピック開催が成功するためには、今一度日本国が一体となって福島原発事故問題に取り組み、福島の復興へ向け一歩も二歩も前進していくことである。福島の人々が原発事故解決の前進を本当に実感し、そして、東京オリンピック開催を2020年に一緒に楽しめるようにならなければ、結局は東京だけを中心とするこの日本国の都会人のエゴをますます高めてしまうだけに他ならない。いわゆる、負を切り捨て他の正を大きくすることで負を見えなくしようとする弱者切り捨ての政策である。私は、これを最も心配する。
以上、今の想いを開催決定が決まったばかりのこの時に、書き留めておいた。