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公認会計士 福地徳恭

歴史に残る重要な都知事選だ。

今日は二本立てだ。政治の話はしばらく触れたくないと思っていたが、しばらくは書かざるを得なくなった。今回の都知事選、TVではほとんど取り上げられないし、新聞では桝添候補が優勢だという記事以外たいした記載がされていない。しかし、街頭演説はかなりヒートアップしているようだ。細川候補とそれを応援してともに演説している小泉氏のことだ。インターネット上ではいろいろな情報が見られる。街頭演説には他の候補とは比較にならない位大勢の聴衆が集まっているようである。
ご存じの通り、細川候補が真っ先に掲げている政権公約は即時原発廃止である。同様のことを掲げているのは宇都宮候補もそうらしい。他は、いつかは脱原発であり、期限を決めない脱原発は原発継続を意味するとしか私には考えられない。

各候補者がどんな公約を掲げようと、それを有権者に訴えて支持を集められるかどうかだから構わないと思う。しかし、私は今回の都知事選は原発をこのまま継続していくのか本気で廃炉に向かっていくかを都民が選択する選挙であると考える。視点は次の3点である。

1.原発政策は国の問題であり都知事選の争点にはふさわしくない、と言う意見がある。私はふさわしいと考える。その理由は、東日本大震災時の福島原発事故後に行われた国政選挙(2012年衆議院)では、このような即時原発廃止か継続かと言う明確な違いを出した候補者ないし政党はなかった。すなわち、有権者は選択できなかった。その結果、自民党政権に戻って再び原発再稼働や推進が言われるようになってきた。今回、日本の首都である都知事選でこれを明確にした候補者が現れたことで、原発継続か原発廃止かの選択選挙が可能となった。東京都は電力消費の最大地域であり、原発の恩恵を最大に受けている地域である。その都民が原発をどうしていくか、は最大の問題である。原発は都知事選の最大の争点と考える。

2.原発がなくては経済は発展しない。すなわち、電力が不足する、あるいは、火力発電に頼ればCO2の排出が増えて温暖化対策に逆行するという意見がある。あるいは、今ある原発によって経済が成り立っている地域もあり、今すぐ廃炉ではなく徐々に軟着陸で行くのが一番良いのではないか、と言うもっともらしい意見もある。しかし、これには私は次の理由で全く賛成できない。まず、明らかに原発がすべて停止しているにかかわらず電力は全く不足していない。火力発電で温暖化が進んでしまうという意見には、原子力発電は本当に温暖化対策に寄与しているのか?と言う疑問がある。原発から出る冷却に使う海水は海へ放出されているが、その暖水の影響はどうなのだろうか。あるいは、今回のような原発大事故が起きた場合の様々な影響はどう考えるのだろうか。最後に、徐々に廃炉と言うが、期限を明確に決めない原発縮小計画ほどあてになら無いものはないのではないか。その証拠に、今回の安倍政権は確か公約に「いつかは原発に頼らない」と徐々に廃炉の方針だったはずであるが、ここ最近はむしろ積極的に原発を再稼働してさらに新設も視野に入れているではないか。原発の方向性は、継続(推進)か即時廃止(停止廃炉)の二者択一しかないと思う。

3.政府・電力会社は、もう3年前の福島原発事故のことを忘れてしまっているのだろうか。いろいろな意見があるので細かい話はしないが、少なくとも福島原発事故の処理及び事故の原因や検証は未だにほとんどできていない。放射性汚染水をどう処理し、海水への流出をどう食い止めるのか、溶け落ちた核燃料は未だに特定できていない。そして、廃炉へ40年というがその本当は国民は全く理解できていない。さらにもっと言えば、あの時原子炉が大爆発を起こしていたら東京を含む東日本全域が住むことができない恐ろしいことになっていたのではないか。運良く、日本は福島他の一部地域がひどい状況になったのみで助かったのではないか?それをありがたく感謝し、人間と共存できない原子力発電所はたった今からすべて廃炉に向かう、という謙虚な方針をなぜ政府も電力会社も持てないのだろうか。人の命や大切な国土よりも、目先の経済的利益の方が大切だというのだろうか。私には、とても理解できない。

今回の都知事選で、最初から明確に即時原発廃止を訴えて立候補したのは、細川氏のみである。それを強力に応援して推薦しているのが小泉元首相である。この二人の街頭演説をネットでみて、私も細川氏を強力に応援したい、都知事になってこの矛盾した国・電力会社・大企業・官僚を変える風を吹かせてもらいたいと、切に願うのです。2/2(日)には、ついに桝添候補を安部首相と公明党党首が銀座にて応援演説に立つという。これはまさに、既得権益の安部自民党・官僚・電力会社・大企業と老齢カリスマ元首相細川・小泉連合との歴史に残る一騎打ち、大都知事選挙だと思う。

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