福地公認会計士事務所

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公認会計士 福地徳恭

地域格差の話

昨日、福田首相と石原東京都知事が都から地方へ3,000億円余りの税金を移譲することで合意したとのニュースがありました。地方自治の原則を大きく逸脱する合意であり、全く賛成できない話です。東京都民や大都市に居住する方々が猛反対していいはずです。身近に考えてみれば、大都市に住む家族が地方都市で暮らす親戚等へ強制的に金を送金しろ施しをしろ、といっているのと同じです。あなたなら、それに喜んで同意して金を送りますか?

まず第一に、大都市圏で生活する住民は、交通渋滞や通勤ラッシュ・騒音や大気汚染など大都市であるがゆえの苦痛や負担に耐えて生活しています。方や地方都市はそのような苦痛はなく、端的に言って生活にゆとりがあると私は思います。大都市に固有のさまざまな問題を緩和するために、その地域の住民税事業税は使われるべきです。

第二に、単なる金の寄付(バラマキ)は地方都市にとって本当に良いこととは思えません。私は全国各地の都市への出張を今年も数回して状況を見てきましたが、確かに良い地域と悪い地域の差はますます広がっている感じがしました。先週甲府へ行っていましたが、今年は前年に比べてさらにひどい状況になっていました。シャッター街が広がり飲み屋さんも人の入りが悪いようでした。街が終焉に向かっているような感さえ伺えました。しかし、だからといって行政の大赤字補填のために単純にお金を寄付することが本当に必要なのでしょうか?長期的視点で各地方で新たな産業の掘り起こしや構造改革を行うことが急務です。下手な金の施しは、甘えの体質を助長するだけです。人間、喉もと過ぎれば熱さを忘れる動物なのは、自身が一番わかっているはずだと思うのですが・・・。

強いては、日本の国自体の生きていく方向性(術)を長期的視点で考えていかないと、あっという間に世界から取り残されていってしまいます。今の日本これからの日本に必要なこと・できること、を若い世代の人たちと一緒に考えていかなければいけないと私は思います。

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