福地公認会計士事務所

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公認会計士 福地徳恭

構造不況国家

皆様、今年もあと2週間少し。

皆様にとってどのような年でしたでしょうか。皆様にとって良い年であったことを望みます。

さて、前回東京都から地方都市への税金移譲などについて書きましたが、その後NHKで奇しくも甲府の惨状を取り上げる番組が放送されました。私の書いた事実と同じような内容でしたが、東京にいらっしゃる方には良くわかっていない内容なのかと思います。全く本当でよく知るべき事実なのですが・・・。

ここ2~3日考えて思ったのですが、「構造不況業種」という言葉はずーっと昔から言われている言葉ですね?ちまたでは、経済の状況変化により将来の発展が望めなくなった産業を指し、日本では、鉄鋼業・造船業・石炭業などが揚げられるなどといわれています。ここで、え?と思われる皆様は鋭い方です。そうです、鉄鋼業も造船業もここ数年は景気が回復して業績が過去最大ともなっている産業です。

構造不況などといわれているものも、一昔前の話では日本で衰退していたものが、世界の景気動向すなわちグローバル経済の局面で復活しているものがあります。しかし、単に黙っていても受注が来る中国やインドといった大市場が単に現れた結果に過ぎないと思います。その意味では、現在日本において構造不況業種などという業種は、存在しないのかもしれません。

もっと言えば、私は日本という国自体が構造不況なのではないかと思ったのです。すなわち、

 「構造不況国家」

だと。私は、構造不況とは、複数の要因が絡んで起こると考えるのです。企業や産業での問題は、ある特定の売り物がただ単に作れば売れる状態だったものが、他国の競合相手が増えたり、自身の改革を怠ったり、さらには努力しないでも売れたことから来る天狗感とそのギャップに対応しきれずに、産業としての競争力や成長力を失っていく、それが構造不況などと呼ばれる結果なのではないでしょうか。

これを最近のわが国に置き換えてみますと、最近の日本では、少子化・高齢化・若年層の学力低下・学校崩壊(モンスターペアレントなど)・大人のモラルの低下・国家への愛着心の低下・自国文化の切捨・極度の個人主義(ご都合主義)・銭儲け崇拝主義、などなど日本人としての自覚やモラルなどを全く忘れても恥ずかしくない人々で埋め尽くされてきてしまっています。

これでは、この国の将来の成長や活力など期待できるわけもありません。この国は、国自体が構造不況に陥っていると私は思ったのです。

鉄鋼業が、その昔この構造不況から新たな出発をしたという事実も忘れてはなりません。鉄鋼の形を特殊な計上にした「シームレスパイプ」?でしたか、創意工夫をして世界から新たな受注を生み出した日本人の能力・技があったわけです。

そうです、構造不況という事実を受け入れ、待っている産業ではなく新たなる受注を生み出す創意工夫をする産業でなくては、日本の生き残る道はないと思うのです。構造不況は、挑戦する意思からのみ脱することができるのです。

そして、私どもの役目は、お客様クライアントともに、新たなる発想をともに考え挑戦していくパートナーでなければならないと、強く思います。

 

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