福地公認会計士事務所

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公認会計士 福地徳恭

兆候のこと

今日は、「兆候」ということについてコメントします。「兆候」は兆しとも言えますが、簡単にいえば何かの始まりの様子・きっかけと言えるかと思います。物事には、突然起こること例えば地震のようなものもありますが、通常は何かの兆候があってから事が起こるのが物の摂理だと思います。良い兆候があれば悪い兆候もあります。そして、この悪い兆候というのは必ずあって、それに気づいた時点で素早くアクションを起こしていれば実際に起こる(かもしれない)悪い出来事を最小限の被害に食い止めることができると思います。

最近世の中で起こっている様々な事件は、このような兆候がどこかであったに違いないのに、その時点で対処して来なかったがために大きな問題となっているのだと思います。

たとえば、地球温暖化の問題。おそらく、地球環境科学者などの一部の方は相当前からそれに気づいて対処を促していたのでしょうが、ほとんどの人間がそれを信じず疑い、対処してこなかったことから昨今の温暖化問題の深刻さが増してきたのでしょう。この問題での私はと言えば、1994年の東京の夏を思い起こします。この夏は猛暑で東京は40℃に達しそうな日が何日も続きましたが、こんなことは今まで経験したこともありませんし、人から聞いたこともありませんでした。これは、私が感じた温暖化への兆候だったと思い返しました。

最近の殺人事件の頻発はどうでしょうか。特徴は、短絡的・猟奇的・冷徹的だと言えます。かっとなって殺す、遺体を平気で切り刻んでしまう、マスコミにも平然と登場したり犯行への反省が全くない、といった異常点が私には信じられません。これは、日本の教育や私も含めた大人たちに原因があるのではないでしょうか。周りとの調和を無視した個人主義の行き過ぎ、道徳教育の欠落、生きることの大切さ他人への尊厳など人間性の基本を忘れ、どこかでこれらを助長してしまう兆候があったのだと思いますが、その兆候に気付かずあるいはそれよりも大切なものはお金や地位だという考えが勝ってしまったのだと思います。

昨日、今野由梨さんという女性ベンチャーの旗手ともいえる方のお話をおうかがいしました。「人生に意味のない経験はない。良い経験も悪い経験もすべては後々の出来事にすべてつながっているのだ。」との教えに、大変納得させられましたが、この「兆候」というものもすべてあとに繋がっていく点で全く同じだと思いました。兆候に気づき、生かすも殺すも人間しだい、すべて人間自身に後々降りかかってくるのだと。

兆候

私は、今年あるいは今後、この兆候という言葉に少々こだわって物事を注意深く見ていきたいと思います。

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