暑い、今年もやっぱり暑い夏がやってきましたね。33度以上が当たり前のように続いていますが、10年以上前はこれほどではなかった気がします。温暖化が、夏の酷暑をどんどん増強させているのでしょうね。
さて、今週は弁護士の人数を大幅に増加させる改革について、日本弁護士会連合会が待ったをかけたというニュースがありました。大幅な人員増加は質の低下をもたらし司法制度に悪影響があるので、というのが理由のようですが、これは我々会計士業界にも同じような出来事がありましたので触れたいと思います。
会計士も、監査の担い手不足ということでここ2~3年合格者が急増し、昨年度は4千人以上の合格者を出しました。これについて、我々の仲間の中でも会計士の質が低下するし威厳が無くなる、資格の価値がなくなる、など不平不満を口にする人がいました。会計士協会も既に数年前に会計士試験制度改革について、急激な人員増加は会計士の質の低下をもたらすとして、反対の立場をとっていたと思います。しかし、昨今の会計監査への不信問題のさなかでもあり、こういった反対表明は何事も無かったように闇に葬られたと聞いています。この時、我が会計士協会の力の無さをつくづく感じました。
それに対して、弁護士会連合会は毅然と反論しているあたり、会計士協会よりはずっと組織的で力があるなあ、と思いますね。結論は同じかもしれませんが・・・。
ところで結局のところ、弁護士は大企業や金持ち相手の金銭的に魅力的な仕事をやりたい人は多くいて、かたや国選弁護や公的な仕事など金銭的には少ない仕事をこなす人は少ないため、その類の仕事が有り余っているのでしょう。会計士は、昨今の監査業務は訴訟リスクが高くて積極的には請けられないが、会計士の仕事は監査業務以外にもたくさんあるので、そちらの方へ流れてしまっている。つまり、金銭的にはそれほど魅力的ではないが公的や社会的にやらなければならない業務をこなす人が足りないのが、今の人員問題ではないかと思うのです。
これって、医師不足の問題にも通じるのではないかと思います。本当に日本は医師不足か?といいますと、大学や公立の大病院の激務をこなす人手は足りないが、開業医など普通一般の医師はすでに過剰なのではないか、と。あるいは、本当の意味で病気やけがを治せる医術や技術を持ったドクター先生の数は実は少ないのではないかと思います。
こう考えてみると、人のふり見て我がふり直せ、であり、金銭面にばかり固執せずに人様や世の中に本当に役に立つ仕事で何か貢献していかなければ人の道に外れるぞ、と思います。口で言うのは簡単ですが、意識していかなければ、と真に思いました。