福地公認会計士事務所

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公認会計士 福地徳恭

リーダーの敗因を考察する(すかいらーくのケース)

話は全く変わって、すかいらーくの経営陣が大株主のファンドの意向で退任に追い込まれた話が先週ありました。トップは創業一族で、昨年MBOにより株をファンドに売却して経営再建を誓ったばかりだったが、なんとその一年後にそのファンドから退場を命じられる羽目に。なぜこのリーダーは敗北したのでしょうか。

日本経済新聞では、MBOが失敗の原因だったとしています。つまり、本来のMBOとは経営陣自らが株式を買収して経営権を得ることだが、すかいらーくのケースはファンドに株式を移転したのであり本来のMBOではないから駄目だったということです。これは、正確には少し違うと思うので解説します。MBOとは、Management Buy Outの頭文字をとっているのですが、和訳すれば経営陣による株式の取得ということになります。しかし、昨今のMBOは必ずしも経営陣自らの株式取得だけを意味せず、株主の交代も広義のMBOに含めて考えられています。すなわち、すかいらーくの件は大株主を経営陣の意向に沿ったファンドに交代したのであり、それ自体は比較的あるケースだったのです。

失敗の理由は、この新株主に対するリーダーの読みが甘かったのです。つまり、たった一年程度で成果を求められるファンドに株主を交代させたのが失敗で、そこを読み間違えてしまったといえます。成功するこのようなMBOの場合、少なくとも3年から5年は成果を待ってもらえるような中長期的視点に立った投資家に株主を交代させるべきだったのですが、そこをしっかり確認をしなかったのではないかと私は考察します。

ご参考までに、このような中長期的戦略を持ったプライベートファンドによるMBOの成功例が日本でもあるようです。このような動きにも注目したいと思います。

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