皆様、新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。2009年のスタートにあたりまして、皆様方のご健康とご活躍をまずは祈念させていただきます。
さて、昨年は100年に一度といわれる金融危機に見舞われ、今年はさらに不安定な一年になりそうですがそれはさておき気持ちを入れ替えるべく、元旦の日経新聞から2つの記事に注目してみたいと思います。
一つ目は、「サバイバビリティ」すなわち生き残る力。これは京都大学の現総長松本紘さんが最近講演等で主張されるそうですが、地球という閉じた空間に生きている人間にとって、個人の欲望をひたすら追求する今の生き方では地球上においてせいぜい20数億人しか暮らすことはできない、アメリカ流ではなく食べるものを少しでも節約する暮らし方をすれば100億人以上の人々が暮らすことができるかもしれない、このように人間が生き残る道を考えながら地球上に暮らしていくことがこれからの時代、いよいよ真に求められてきたのではないか、要旨はこのようなことかと思います。食料のことだけではありません、すべてにおいて次世代に地球を繋いでいくためには、さまざまな我慢が必要だということだと思います。金融危機はまさに、個人が自分だけいっぱい金儲けをしたいという傲慢さが生んだ問題なのだと思います。自分だけがいい思いをする、このような人たちにこそこの「サバイバビリティ」を学んでいただきたいと思います。もちろん、自分だけのサバイバビリティは捨てていただいてから、ですね。
二つ目は、「やり過ごすという技」、これは元西鉄ライオンズの名選手「豊田泰光」さんのコラムにありましたが、自分が若い頃、他人に対して気になるところをいちいち指摘していて時には一触即発状態になったりもした、しかし近年、他人の気になる点をやり過ごせるようになったこと、これは年を取ったせいかもしれないが自分がどんな人間が嫌いだったかという好みまであいまいになってきた、そしてそれが思わぬ利点となっている、と豊田さんが自問自答しておられました。この良い意味でとぼける技術こそが今の社会が忘れてきたことかもしれないと結んでいましたが、これも、自我ばかりを押し通さず他人の生き方をあいまいなりにも認めるべき、という他人との共存を意識されている記事かと思われ、私には上記のサバイバビリティに共通することではないかと思われました。
どうしたら今あるさまざまな地球的危機を乗り越えられるのか、そのために人間が全宇宙的神に難題を突き付けられているような気がいたします。今年も1年、皆様と一緒に学び歩んで参りたいと思います。