福地公認会計士事務所

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公認会計士 福地徳恭

日本力

皆様、少々お久しぶりですが、お元気でいらっしゃいましたか?当事務所は、例年通り確定申告の終わりとともに最大の繁忙期を終え、ひと段落といった感じです。いよいよ春めいてきましたね。

さて、今朝は野球好きな方なら早朝から実況中継をご覧になられていたのではないかと思いますが、WBCの2次ラウンドが始まり日本-キューバ戦は日本の快勝でした。やはり日本の野球は素晴らしいと改めて実感しました。今回の布陣は過去最強でしょう。ピッチャーもバッターも守備もすべて揃っています。原監督が「日本力」という言葉を使っていますが、日本流の野球道の強さ巧さを見せています。

ところが、政治や経済の世界では国際的に「日本力」は交渉力にものすごく弱いところがあります。主張が弱い、はっきりしない、相手を動かす力がない、などいろいろ評価したりされたりしているようです。最近、勝間和代さんという我々と同業者であり経済評論家として非常に脚光を浴びている女性がいます。この方は私とよく仕事を共にしている同業者が、駆け出しの頃職場(監査法人)で一緒にいたことがあり、その人間から話を聞きますと、昔から相当な才女で有名だったそうです。仕事のスピードが速い、議論をまとめる力がある、とにかく頭が良い、などもてはやすことにはきりがないようですが、私は最近彼女の著書で「断る力」という本を読みました。この中で、今のグローバルな世の中では今までうまく事が運んでいた日本流のやり方は時代に合わず、この本のタイトルである「断る力」を身に着け発揮していかなければ、日本は国際的に取り残されてしまうのではないかと記述されておりました。

彼女の言う「断る力」とは、私なりに噛み砕きますと

  • 人の言うことを鵜呑みにせず、自分の頭で絶えず考えること
  • その上で、自分の価値を高めない(と思われる)仕事はきっぱり断る
  • 断るからには実力をつけなければならない
  • 断るからこそ実力が付く(自分を高めるための時間ができる)
  • 断ることに本質的なデメリットはない
  • 断ることが良いわけではなく、断り方も配慮する必要がある
  • 厳選した仕事に最善を尽くし結果を出す

など、思いつくままにはこんな感じでした。その中で、赤の2行は私が特筆すべき点だと思った部分です。いわゆる「良い人」でいるために、あらゆる人からの頼みごとを安請負してしまうことが結構多いのではないでしょうか?しかし、意外とこれがその方が楽であったりして、本当は断ることの方が勇気が必要だと思うのです。「断る」は、新たなチャレンジの表れです。はじめから自信がある人などいませんから、これは、次のステップへ踏み出すことを他人へ知らしめる意思表示ですから、なかなか、これに踏み切れずにだらだらと今まで通りのことを続けてしまうのではないか、と。

さて、実際の政治経済などの動向はさておき、日本の良い部分である「日本力」は大事にしながら、この春新たなチャレンジをして行きたいものです。

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