福地公認会計士事務所

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公認会計士 福地徳恭

街づくりと二足のわらじ

今日は、二つの話をご紹介したい。

一つ目は、街づくりはよそ者に任せるべきだ、という話。これは、今週月曜の日経新聞朝刊で大阪大学教授の大竹文雄氏の記事。教授曰く、自分が故郷に住んでいる時代は、自分の町が不便でつまらない町でもっと便利にならないものかと思っていたが、いざ都会へ出てから故郷を見直してみるとこんなにも良いところがあったのか、と思い直したとのこと。つまり、その場所に住んでいる人間に街づくりをやらせてみても、どこにでもあるようなただ利便性を追求するようなものばかり作ってしまって、その町や村にあった良いものまですべて失い個性のない街になってしまうということだった。

確かに、小布施町のセーラさんや銀山温泉のジニーさんは地元どころか外国人でありながら、その町の良さにほれ込み土着してよっぽど普通の日本人よりも日本人らしく振舞われている。でも、これは意外でなく、よそ者だからこそその場所の他にはない良さ、がわかるのかもしれない。

二つ目は、いわゆる二足のわらじをはけるのか、という話。これは、先日ある会合でご一緒させていただいた社長さんから、我々のような士業が本業である会計事務所やコンサルティング業務の他に、全く無関係の事業を行っている人がいるが、二足のわらじは成功しないし第一、士業は所詮昔でいう士農工商の士であり商人センスは無いのだからやってはいけない、という話を聞いた。本業一筋でやっている商人の方に失礼だろう、と。確かに私の同業者の税理士会計士が、株の投資顧問もどきや人材派遣業をやっているケースを知っている。さらには、居酒屋経営や墓石販売などお金や数字とは全く無関係な仕事をやっている人もいるようだ。

私はその社長さんにこう反論した。士業だけでなく、他の経営者でも本業以外に手を出す二足のわらじは成功しないことは同じなのではないか、と。万一二足のわらじをはくのであれば、それは利益を度外視して自分のポリシーがあってやりたいことを趣味的にやるのであれば、案外成功するケースがあるのではないか、と。たとえば、自身がラーメンが大変好きで、どの店に行っても100点満点のラーメンを食べることができない、それならば自分が納得できる100点満点のラーメンを研究して、それを一日20食限定でラーメン好きの人に食べさせる店を経営する、などどうだろうか。まさしく黒字経営という点ではどうかとは思うが、自分の理念と趣味が一致して商売できる点では、誰からも文句の付けようがない二足のわらじではないかと思う。

ちなみに私は、ラーメンよりも日本そば派、です。

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