おとといと昨日のTVや新聞報道は衆議院選挙の話題ばかりだった。戦前の予想通り、民主党が300議席を超える票を獲得し圧勝した。日本国民のほとんどが、自民党政権からの交代を強く希望した結果だろう。一度他の政党に任せて日本が変わるか、試したい、ただこの思いだけだったのではなかろうか。申し訳ないが、民主党を信頼してこれほどの票が集まったわけではないことを国民は分かっているし、民主党もそれをわきまえてこれからの政治の舵取りをしていただきたい。これから民主党の本当の力が試される時だ。
衆議院選挙を終えて、今私が思うことは次の2つ。
1.政権交代が行われたからといって、政治が劇的に変わるかどうかは不明。日本の景気がすぐに上向くとも思えない。政治は中長期的ビジョンに従って、じっくりと日本の21世紀の生き方について向き合って進んでもらいたい。それを、国民一人一人が覚悟し受け入れていかなければならないと思う。
2.民主党はマニフェストに掲げたことをすべて、その通りにやってしまうことに執着しないでもらいたい。国民はそれほど馬鹿ではない。皆、財源の不透明さや実行可能性への疑問を感じている。国会できちんとテーブルに挙げ議論し、実際の実行に際して修正してもよいと思う。もちろん、国民への説明責任を果たした上でのことだが。高速道路の完全無料化と企業へのCO2排出削減目標の数値の高さとは、環境問題で考えれば相矛盾する。大義名分やかっこつけにとらわれてはいけない。 マニフェストの完全実施がなされないことのみをもって、マスコミは民主党政権を批判することをしてはならないし、国民はマスコミに扇動されてはいけないと思う。
今回の自民党の大敗は、20世紀型政治の終焉だと思う。21世紀に入り来年で10年目となるが、遅まきながら日本は21世紀の国家観を模索しなければならない。政治は、日本も2大政党制もどきとなるが、これが21世紀型政治だとは思えない。しかし、少なくとも自民党1党独裁政治からの脱却は21世紀型政治への歩みだと思える。更なる進化には、国民の政治への関心の度合・地方分権の強化か。そして、世界の中の日本は何を担っていくのか、これが日本に突き付けられた究極の課題だと思う。