福地公認会計士事務所

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公認会計士 福地徳恭

IFRSの行方

本屋さんへよく行かれる方ならばご存じだと思いますが、本屋の店頭にIFRS関連の書籍が多数並んでいます。もう10年くらい前から会計基準の大改正や法規の改正や新法の制定等が相次ぎ、我々会計士業界ほか会計経理関係の方々など皆うんざりするほど次から次へと新しい制度について本が世に出回りました。つい最近では、「内部統制報告制度」の新設で実務会等は大いに揺れました。

これについておかしな話を聞いたことがあります。ある会社が内部統制報告制度にしっかり対処すべく、人員を整え必要なマニュアルや制度をしっかり整備し、これなら監査法人に対して胸を張れるだろうというところまでしっかりやりました。ところが、社長が監査法人の役員に対し、「どうですか?うちの対処は万全でしょう?」と話しかけたところ、「いえいえ、まだまだです。次はこんな所も整備しなければならないんですよ。」と監査法人から切り返されて、「だったら、何故最初からそのことにも触れないのですか?」と怒り心頭だったとか。この出し惜しみならぬ出し抜けが本当だとすれば、これは制度を作ったあるいはアドバイスする側に儲けさせるだけの、新制度のもらたす悪い側面ばかりが取り上げられかねないです。

今度のIFRSは、基本的には枠組みのみが記されている部分が多いので、実際の運用面ではどうするかというところはこれからの実務者レベルの取扱要領やケーススタディなどの公表を待たなければならないでしょう。しかし、これらがいたずらに会計担当者サイドを煩わせるだけの側面が大きければ大きいほど、いったい新制度とは何なのだろう、ということになってしまいます。IFRSとはいったい何なのか。なぜIFRSの導入なのか?をよくよく考えなければなりません。

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