みなさん、消費者金融と言うとちょっと眉をひそめてしまいますよね。高金利で取り立てが怖い。そんなとこから金を借りる奴は計画性もないし、金遣いが荒いどうしようもない奴。そんなイメージですよね。
大手消費者金融が相次ぎ経営危機になり、銀行の傘下に入ったり法的措置を取って再生する手段に出たりしていることは、ご存知かと思います。グレーゾーン金利が法的に×となり過払い金請求によって責められている影響も多大です。消費者金融は今後貸し出しがどんどん規制され、たとえば主婦は単独では借り入れができなくなるとか、借りる人は事前に年収を証明するものを提出しなければならないとか、消費者金融やカードローンなどからますます簡単に借り入れができなくなります。
ところが、この消費者金融(いわゆるやみ金や街金を除く)を必要としているまともな自営業者や中小企業がいたのです。先日の日経ビジネスの記事ですが、造園業を営む企業は請け負う植栽などの業務は入金は仕事が完全に終わった後のため、必要な資材や人工などの費用をすべて前払いで賄わなければならず、この資金を以前は簡単に用意できた消費者金融から借り入れていたのです。遅くとも2~3ヶ月後の入金は間違いないので、資金繰りの関係で1カ月程度の消費者金融からの借り入れでも、金利が30%付こうが100万円を1カ月以内に返済すれば金利はわずか25,000円程度。この金利なら十分ペイできるので、このような業者の方にとって消費者金融は重要な資金提供先だったということです。
そんなまともな商売なのだから、銀行から借りればよいではないか、と思われるかもしれませんが、銀行は審査に時間がかかり融資が下りたのが業務が終わってからだったということがよくあったそうです。それでは仕入に間に合いませんね。さて、今回の事態でこのような消費者金融を必要としていた中小零細企業は、資金調達ができなくなったため事業規模を縮小せざるを得なくなったということです。何と言うことでしょう。過剰な借入金により取り立てのプレッシャーなどにより自殺や自己破産に追い込まれる人が多く、消費者金融は悪の根源であるかのように思われていました。ところが、それは消費者金融が拡大のため過剰な営業戦略に出た悪い結果であり、もともとは良い部分もあったということです。
今、ますます景気が悪くなっていることを肌で感じている経営者の方も多いかと思います。私もクライアントの皆様や周りのパートナーと話をするたび、景気は相当悪いと実感しています。それを、民主党政権の政策が影響を与え、良かれと思ってやったことがますます悪い方向へ向かわせている気がしています。まさに、タイミングが悪い。
どうもこの日本という国、悪い方向にしか向かっていない気がします。杞憂に終わればよいと思いますが。