福地公認会計士事務所

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公認会計士 福地徳恭

IFRS動向 最近

先週の日曜日、日本橋の丸善へ行ったら、以前にも増してIFRS関連の本が立ち並んでいると感じた。何でも、IFRSの日本語翻訳版は売り切れで出版元に問い合わせても入手不可能と言う。企業や士業、学生など幅広い関心の高さを伺わせる。

私は、将来的にはIFRS導入の流れは止められず、日本も導入は避けられないと思っているが、この2~3年で上場企業にIFRSが大幅に広がっていくことには懐疑的だった。しかし、今週号の日経ビジネスIFRSの特集記事は興味深い。日本電波工業社はIFRS適用財務諸表を公表した日本の会社第1号となった。その会長、導入した理由について、IFRSの基準は価値の測定に厳しく無駄の一掃に貢献する、あるいは、各国にある子会社の決算書の勘定科目が統一され、実態が見えやすくなった、など。各論としてはもっともだと思ったが、さらに的を得ていると思ったのは、IFRSはリスクを先送りできないという点と、IFRS自体がこれからもどんどん変わっていく基準であること、その2点を重要視されていて、長く変わらない基準だとしたら付き合ってはいけないものだと断言されて締めくくっていたことだ。

私も、そもそも世界的な流れの中で、IFRS導入をただ恐れて先送りしていることよりも、むしろ、いかに有効に取り入れていくか、と前向きに考えるべきであると。また、IFRSは原則主義と言われ、つまり原則だけを述べているからこそ企業側にある程度理論構成を許容する部分があること。その原則も、時代とともに変化する可能性もあり、だからこそ常に全体の流れの中で会計というものもとらえていく必要がある、そんなことを改めて考えた次第だ。

特集の中では、2005年にフランスが実際にIFRS導入にあたってどのような影響や苦労があったかについて、企業経営者のコメントを交えて紹介している部分もあります。興味のある方は、是非一読していただきたいと思う。機会があれば、次回以降触れてみたいと思う。

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