福地公認会計士事務所

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公認会計士 福地徳恭

心配な若者の就職難

民主党の代表選は、管氏が勝って首相を続投することになった。新聞報道等では概ね歓迎というのが世論の風潮のようだ。しかし、実際はどうなのだろうか。日本の将来は如何に…。

最近のニュースで、1990年代の就職氷河期の苦渋を味わった30代の男性の何人かが紹介され、彼らは皆意図する企業や分野に就職できなかったためにうつ病となり、現在職を得られず自宅で悩んでいる姿が映し出されていた。その家族も大変だ。奥さんは、自分に八つ当たりしてくる夫に不平不満も言えない。なぜならば、それを嘆いたり怒ったりすれば「お前のせいでうつ病の治りが遅くなる。」とか「うつ病が悪化するぞ!」と返されるからだそうだ。しかし、誰に相談すればよいかと言ってもそんな話を親身になって聞いてくれる人などどこにもいない。奥さんが家計を背負うもどうにもならない不安と心配で落ち込み、旦那は空白の期間が空けば空くほど再就職の道は困難になっていく。まさに、終わりのない袋小路をさまよう気持ちだろう。

うつ病に苦しむ男性がぽつり言う。「10年早く生まれていれば、1980年代の好況時に良い就職ができていただろう。早く生まれていたかった・・・。」と。

そして今年就職活動をしている高校生や大学生なども、非常に厳しい求人状況だと聞く。我々会計士などの士業でさえも、同様に合格しても就職できない者がかなりいると聞く。転職も難しい時代だ。こんな時代だから、車や家などの資産を購入しようとする若者がどんどん減っているというのもうなずける。先行き不透明で不安だらけだから、何かに投資するとかましてや遊び道具に金をかけることなど出来るわけがない。これでは、今後の日本の景気が良くなるはずもない。資産が硬直化してしまえば、他の世代も資産を売り買いできなくなってしまうというのが非常に怖い。

国は、若い人たちが元気でどんどん冒険をする、という状況でなければ活力は出て来ないし未来は無いだろう。今の日本がまさにそれで、働き口が無く国の保障も怪しければ若者たちは下を向くしかない。若者に未来を夢を持たせる政治、経済。それが今の日本の、喫緊の課題ではないだろうか。

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