平成23年度税制改正の検討がいよいよ大詰めだ。特に、個人課税の強化が顕著だ。
1.まず、給与所得者のみなし経費である「給与所得控除」の見直しだ。高額所得者の給与所得控除を上限を設けて縮小するようだ。最有力案が、給与収入1,500万円以上の者から控除額に上限を設けて増額をストップするとのこと。
2.続いて、会社役員は給与所得控除を従業員の半分に見直す案。これは、昨年まで1人会社の社長が給与所得控除額を法人の所得に加算するというおかしな税制があったが、この廃止による代替案の模様。しかし、何故役員と云うだけで従業員に認められるみなし経費が半減してしまうのか、法律として通ってしまったらとんでもない税制だと思う。
3.最後に、相続課税の強化。最高税率を50%→55%にアップし、基礎控除も5,000万円→3,000万円に、法定相続人分だけ増加する控除額も1人当たり1,000万円→800万円に減額になる見通し。世界的に相続課税は撤廃される傾向のはずが強化されるとは?
最近、個人の所得税調査が強化されていると聞く。調査でかなり増差(税務署用語で、調査による税金の増加差額のこと)が出るので、へたな法人税調査よりも個人の高額所得者を狙った方が税金を取りやすい、という国税庁の狙いか。何はともあれ、個人の高所得者が今後ますます狙われる傾向にあることは間違いないので、そこそこ稼いでいる自営業者の方は「私には無関係なこと」、と思わずに、十分注意された方が良いと思う。
何はともあれ、頑張って稼いでいる自営業者の方、会社社長様、今後稼げば稼ぐほどますます税金が増える傾向になります。そうは言っても、それでは稼ぐのやめます、というわけにはいかないと思いますから、バンバン稼いでしっかり節税、でもやっぱり納税は発生するから納税貯蓄もしっかりと、となりますね。