福地公認会計士事務所

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公認会計士 福地徳恭

東北関東大震災の恐怖②

大震災が起こって12日が経った。被害の全貌は未だ明らかになっていないようだ。しかしその中で原発の問題は、深刻になる一方だ。それはさておき、この10日間ほどに起こったことを書き留めておく。

・停電の影響で、電車がまともに動いていないようだ。皆、通勤が普通にできない。自宅待機者や輪番制のような事態も起こっているという。経済もストップだ。

・ガソリンスタンドに長蛇の列。こんなの見たことない。最初の頃は、3時間も待った人がいたらしい。私は1時間30分も待った。石油自体は十分な備蓄があるという。しかし、輸送する業者が休業していたり道路事情により運送できなかったりした模様。それにしても、何故こんなに並ぶのだろう。普段車を乗らない人も、電車が動かないからガソリンを入れるのだろうか。それとも、人が並ぶと私も、と並ぶのではないか?

・スーパーに食品がない。特に、すぐに食べられるものが棚にない。こんなのも初めてだ。パン・米・カップラーメン・納豆・豆腐・缶詰など。東京はそれほど深刻ではないと思うのだが、何故こんな食品ばかりが無いのだろう。生肉や魚は売れ残っているというのに。まるでこれから、穴倉生活でも始めようというのか?災害が来たから、というのでこれらを買い占めているとしたら、全く意地汚いと言いたくなる。それと、トイレットペーパーやティッシュに生理用品も大変品薄だ。人が買うから、余計にまた他の人が買う。悪い人間心理だ。

・原発の事態がどんどん悪くなっていく。建屋が吹き飛んだ時は、原子炉が爆発したのではないかと疑った。この世の終わりではないかと。しかしそうではない、と官房長官が発表するも、今度は燃料棒がプールの水が無くなって露出していると発表される。原子力安全保安院とかいう広報の記者会見は、全く意味不明だ。事態がどのくらい深刻なのかが分からない。放射線の単位も良く分からない。「今すぐ健康に問題があるレベルではない。」という発言も、不気味なだけだ。

・ヘリコプターの注水はどうもうまくいかなかったようだ。そして、今度は特殊消防車による地上からの注水に変更した。消防庁のハイパーレスキュー隊というおそらく最高の精鋭部隊なのだろう。彼らの大活躍によって、ようやく原発の周りの放射線量は低下傾向にあるという。しかし、後で聞いて驚いた。彼らが着用していた防護服は、放射線を遮る効果は無かったらしい。彼らの記者会見で、放射線の恐ろしさを我々は良く知っているからこそ、今回の任務は非常に緊張した、しかし、我々は精鋭であり勇敢であり任務を達成した、と。何と言うことだ。彼らが我々の身代わりとなって、何とか放射能の嵐を抑え込もうと努力してくれたのだ。

・その勇敢な者を含む消防庁に対して、海江田大臣が「言うとおりにしなかったら、お前たちの処遇はどうなるか分からないぞ!」と任務前に脅迫とも取れる発言をしていたらしい。本人が謝罪していたのだから、本当のことなのだろう。それならば海江田さん、どうして「自分も現場で先頭に立つからあなたたちも協力して欲しい」、と原発現場に向かえなかったのだろうか?所詮、自分の政治的立場しか眼中にないのなら、そのくらいのパフォーマンスを見せてみろ。

・私の英会話の先生でもあり、翻訳業務も依頼している外人が、3日前にカナダへ帰国してしまった。何だか寂しい気がしたが、もし、外地で日本人が同じ事態になっていたら、日本の外務省は日本人に対し帰国を勧告しているだろう。それに従うのは、やはり当然のことだろう。自国のことになると、そのあたりが突然見えなくなる。やっぱり、他人事と自分事とはものの見方考え方が異なるのだと改めて気がついた。

さて、今後もまだまだ苦難が続く日本。しかし、冷静に出来事を見ていこうと思う。

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