福地公認会計士事務所

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公認会計士 福地徳恭

震災からの復興の道④~がんばるのは止めよう

どこもかしこも、「がんばろう〇〇」の横断幕やロゴの入った帽子や服を見かける。けれども、そろそろ「がんばろう」のオンパレードや掛け声は止めたほうがよいと思う。被災地の方が自ら、「がんばろう」と言ったり励ましあうのはまだ良い。しかし、そうでない方々は少なくとも被災地の方向けにこの言葉を言うのはどうかと思う。被災から1か月以上、もう十分がんばっていらっしゃるのでは。復興に向けた兆しにはまだ程遠い。すべての財産を失い、家族を失い、次に生きるすべも何も未だ見つからない。それなのにいったい、「何をがんばれ?」というのだろうか。

福島の原発風評被害がひどい。これからの農業・水産業・観光業などどれも先が見えないようだ。どう頑張ってみても、まずは原発が安定的に収束しないと事は始まらない。今は、住民の方はがんばり様がないと思う。さらにひどいことに、警戒区域の住民の方は引っ越し業者に引っ越しを引き受けてもらえず、引っ越したくても引っ越しもできないそうだ。まさに、ひどい。皆、口でがんばれ!義捐金で金は出しても、結局具体的な支援は何もできないではないか。所詮他人事(ひとごと)、だ。何が?「がんばれ」だろう。

そんな中、熱い良い話もある。とあるOLの女性がゴールデンウィークに福島会津に里帰りしようとしたところ、家族や友人から「私たちよりももっと困っている人がいるからそちらに行ってあげなさい。」と言われ、早速ボランティアツアーに申し込み、GWは2泊3日の三陸ボランティアツアーに連続して参加することに決めたそうだ。このボランティアツアー、募集450名に対して全国から600名の申し込みがあったとか。これこそが、心優しい本当の支援ではないか。

昨日、原発至近距離にある浪江町の捜索がようやく警察や機動隊員の手によって開始されたとのこと。その被災地の現場に、警察庁長官が陣頭指揮を執っている姿をTVで見た。久しぶりに、心打たれた。官僚トップや政治家で今まで現場に立った人間がいただろうか?この長官、きっと心ある熱い方なんだろうなあ・・・。

私は、何もできない、何もしていない一人だ。偉そうなことを言える人間ではない。だからこそ、もう、「がんばろう日本」なんてつまらない掛け声は止めませんか?被災地の方はもうがんばらなくていい。被災地以外の人間は、被災地の方がほんの少しでも喜ぶことを黙ってやる。それで、少しずつ少しずつ進んで行けば良いではありませんか。

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