昨日、文部科学省が埼玉県及び千葉県など関東東北部を含んだセシウム汚染状況の公表を行った。今回の公表で最も衝撃を受けたのは、千葉県の柏市や松戸市周辺の方々だろう。なぜか、他の福島原発からより近い地域よりも汚染濃度が高いという結果になっている。東京都や神奈川県などは、この先公表される予定だとのことだ。
そして本日、福島原発周辺の「緊急時避難準備区域」とかいう警戒区域を解除したという。上記発表とタイミングが絶妙のような気がするのは私だけだろうか。福島だけではない、意外と群馬県や埼玉県そして千葉県も汚染されている地域はある。みんなで汚染を分かち合えば怖くない?慣れましょう、とでも言っているのが聞こえてきそうだ。それにしても、実際のところやっぱりこれだけ汚染の蓄積があり地域も広範にわたっていることを考えると、除染といってもその汚染された土や物をどこへ持って行けるというのだろうか?早急に除染が必要で、その後に初めて安心が担保されて警戒区域等が解除されるのではないか。あるいは、汚染物を集積する場所を決めてそこだけは数十年単位で国がきっちり管理して人々を近づけさせないようにする、そういった対策が打たれて初めて警戒区域の解除や今回の福島原発大事故がとりあえず収束したといえるのではないだろうか。
しかしそうではなく結局、それを完ぺきにやるには時間と金がかかりすぎて、皆である程度共有して行こう、あるいは、被災地の方々に被ばくを承知で我慢してもらおうというのが今の政権の本音なのではないか。誰の責任問題にも触れられず、今回の天災から起こった人災である福島原発大事故は、葬り去られようとするのか。それに対して、怒りをぶつけようとしない日本人、本当にこれでよいのか?
話は変わって先週、台風が四国から近畿東海そして関東を直撃した。私はちょうど九州から関西に出張中で、東京に戻る途中でトラブルに巻き込まれないようにと早めに帰京を試みたのだが、結果、新幹線の中に6時間以上も閉じ込められて豊橋で延泊する羽目になった。それにしても、すごい台風の風雨だった。停車中の新幹線の中にいても、電車が揺れてこのままで大丈夫だろうかという気にさせられた。それと、和歌山県でできた前回の台風による堰止湖が決壊して土石流などという惨事にならないか、心配でしょうがなかった。東京も大洪水になったらどうなるのか、今年はあちこちで災害にまみれている日本、このまま住むところがなくなってしまうのではないかと本当に考え込んでしまった。
日本列島は狭く、南北に細長い丘陵の地形である。地震と台風の危険に常にさらされている。そう思い直せば、もともと先祖代々厳しい環境の中で暮らしてきたのが日本人だ。経済が発展してぜいたくな暮らしに変えてきたが、もう一度厳しい環境を思い起こせ、とでも天の神様が戒めているのかもしれない。