民主党政権は、今年の年末までに消費税増税路線に舵を取ることを明記するという方向で動き出したようだ。しかし、党内は一本でまとまっておらず流動的だ。かねてから野田総理大臣は、総理大臣に選出される前から消費税増税論者として知られていた。したがって、この路線に本腰を入れるとしても不思議ではない。しかし、今年中にその方向性を決めて、再来年くらいに消費税増税となるとなれば、その影響は大きいと思われる。
私は、いろいろな意見をものの本だったりテレビ番組だったり耳にしているが、私なりに公平に見て国家に予算が不足していることは本当のところだろうと思う。ましてや、震災があった。余計に金がかかるのはやはり仕方がないのかと思う。しかし一方で、もし消費税増税となって2年後くらいに例えば7%とか10%に税率が上がるとするならば、今の日本経済の状況からして景気は深刻なほど落ち込むことと想像する。
それは、巷の中小企業などを見ていればわかることだ。多くの企業は切り詰めに切り詰めて、あるいは、借金の返済猶予をもらい、何とかしのいできているのが現実だ。それが2~3年くらい続いている。そこへ来て震災による影響や円高による影響がのしかかっている。もちろん、震災特需もあるだろうが未だ先だろう。あるいは、円高により輸入業者は潤っているのだから一概に円高が悪いとは言えない。しかし、かなりの企業で厳しい状況になっていることは間違いない。ヨーロッパなどの景気が深刻なことも問題かもしれない。タイの洪水もそうだ。
こんな状況で消費税増税を行うことは、やっぱりリスクなのではないかと思う。やるならば、景気の上昇が見込める状況を作らなければならないだろう。あるいは、さんざん言われているが過去の古い官僚支配体制を根本から正すことも必要だろうし、電力会社の発電送電分離などの問題も一緒に改革する必要があると思う。思うに、今回消費税増税を行うのならば、日本の戦後にできた仕組みも一緒にメスを入れ、無駄を省き景気の上昇による自然増税が見込まれる状況をセットで行わなければならない。
ではどういう改革が必要で、どうやってやるか、が難しい課題で時間がかかりすぎるから無理だ、という結論は無だ。改革は待ったなしに必要だと思う。多少見切り発車的でもよいと私は思っている。つまりこの意味は、過去の仕組を恐れずに壊すことだと。壊すことでしかこの国の良い方向は見えて来ないのではないかと思う。それによる多少のリスクよりも、壊すことで新しいメリットが上回ってくるはずだと信じたい。