福地公認会計士事務所

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公認会計士 福地徳恭

日本は新しい道を歩めるのか。

巷では、日本がTPPに参加するか否かのニュースが日々飛び交い、意見は真っ二つに割れている模様だ。私は正直、この問題の真意はよく理解できていない。言えることは、日本が既存路線を守りながら利益を模索していくのか、それとも、それを破って新たな世界を求め厳しい競争の中で利益を模索していくのか、というところななのだろう。確かに、既定路線を守りたいと思う人たちの気持ちもわからないではない。今のままで何とか食っていける。それを、なぜあえて門戸を広げて厳しい競争にさらされることにより、すべてを失ってしまうかもしれない。それでは、元も子もないではないか。ということだろう。

もう一つ、大阪市長選も注目すべき一戦だと思う。現職の平松候補は、既存の枠組みの中で大阪府と連携しながら市民のための良い大阪市を目指す。どちらかといえば、今のままで十分良い大阪市ではないか、大阪都構想などわけのわからない改革をすることで、大阪市を失うことの弊害がどれだけ住民にありますか?という既存路線を変えることのデメリットを主張されている。一方、橋下候補は既存の枠組みでの無駄がどれほどあるか、それを失くすメリットのため大阪都が必要だと訴えている。つまり、既存の枠組みでは駄目で過去の枠組みにとらわれない新たな道筋が必要だということだろう。これらの主張はTPPの問題と非常に似ているのではないかと思う。

先日、女子プロゴルファーの古閑美保選手がテレビのインタビューで「この若さでプロゴルファーを引退するなんて、もったいないと思いませんか?」と尋ねられて、

「えっ?なぜそんなこと言うのですか。意味が分かりません。私は手首の怪我によりトッププロとしてやっていけない以上、プロゴルファーでいる意味がありません。今後は私の知らない世界ばかり。何をやっても刺激的で楽しいと思う。」

というようなことを答えていた。上を目指せないのならばいつまでもその場所にとどまっていても良いことはない。それよりも、ほかの世界で新たな道を探そうということだろうか。私には、よくあっさりとそのような潔いことがいえるなあ、と思ったと同時に、そうか、とうなずける部分も感じた。

さて日本国民は、古閑美保流の生き方を求めるのだろうか、それとも、既存の枠組みの中でもがきながら生き続ける道を選ぶのだろうか。TPPと大阪市長選の結果が、私は非常に楽しみだ。

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