21日に起きた渋谷の刺傷事件は、日本の社会の陰の部分が露出したような気がする。犯人が逮捕され、ほっとはしたが逮捕の決め手は駅の監視カメラだったようだ。
エスカレーター上で起きたと思われる事件だったこともあり、犯人の顔を目撃して通報した者がいなかったようだ。しかし、夕方の混雑時だというのに顔や特徴を見て警察等に伝える者がいなかったのだろうか?それくらい、今の世の中は周りの出来事に関して我関せず、スマホや携帯にゲームなどに熱中していたいのだろうか。それとも、忙しくて周りにかまっていられない?
昨日、帰り道で人に道を尋ねられた。中国人のようで、目的地にたどり着けなくてかなり困っている様子だった。何とかしてあげたいと思ったが、持っているメモを見ても私にもよく分からなかった。それはそうと、私の周りを歩いている人はこちらを見ながら急ぎ足で去っていく人ばかりだった。私は関わりたくない。そんな感じの人ばかりに見えたのが、なんとなく情けなく感じた。結局、通りがかりのお巡りさんを見つけ、その人を任せたのだが・・・。
刺傷事件の犯人は、渋谷で働いている32歳のアルバイトだとか。そうか、正社員になりたかったのに何度も面接を受けても採用されない。派遣社員として食いつないでいるうちに、その仕事もなくなりとうとうアルバイトでなんとか生計を立てている。そんな日々を送っているうちに、世間に対して恨めしい思いがたまり敵対心が宿り、サバイバルナイフを密かに持ちちょっとした出来事で犯行に及んでしまった。まるで、あの忌まわしい秋葉原歩行者天国無差別殺傷事件と似たような背景ではないか、そんな勝手な想像をしてしまった。
一方、刺された被害者を救援したのが、通りがかりの医師だったと聞いた。迅速な応急措置を施しその後の搬送先の病院での治療もその医師が行ったという。素晴らしい医師だ。そういう方もまだまだ日本にいるはず。捨てたもんじゃない!そう思う傍らで、血だらけの被害者に目を背け悲鳴を上げるだけの人あるいは見知らぬふりをして通り過ぎる人が多くいたのではないかとも思う。ましてや興味本位で被害者に携帯カメラのシャッターを切る人などいなかっただろうな?Mixiにでも載せようと。そんな人がいたならば、日本の未来はますます暗い。