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公認会計士 福地徳恭

消費税増税法案等採決を前に

消費税増税関連法案がいよいよ採決される。これに関し、小沢氏のグループなどが数多く反対票を投じると報道されており、近来稀にみる重要な国会採決となりそうだ。私の視点を申し上げたい。

1.小沢グループなどが反対票を投じても、民主党はこの議員らに厳しい処分はできないと予想する。なぜならば、民主党は仲間を減らすことで自らの首を絞ることになる弱体化の道を進んで取ることはできないからである。この法案が国民の支持をある程度得ているならば、思い切って解散総選挙を行い勝負に出ることもできよう。しかし、今解散総選挙の選択肢はない。民主党の惨敗が確実だからだ。反対や棄権議員に対する処分は甘いものとし、消費税増税などの正当性を時間を利用して精一杯あいまいにして任期ぎりぎりまで粘ろうという作戦しかありえないと思う。

2.小沢氏などの行動が「造反」という言い方で報道されている。そして、野田氏サイドに対して彼らのことを「造反議員ら」と記述されている。私はどうもこの言い方は腑に落ちない。そもそも民主党が政権を取る時にいわゆるマニフェストなどで国民に対し、政権任期中の4年間は消費税増税を行わない、と約束した。それが、鳩山小沢ラインの政治が1年足らずで終わると、管→野田とまったく当初掲げた公約とは逆の政治を行っている。管前首相や野田首相こそ、造反議員・造反総理大臣ではないのか。小沢氏のグループは、明らかに単にマニフェストで最低限約束した事項に反することには絶対に賛成できない、と主張しているに過ぎないと思う。

3.私は、消費税増税を全面的に反対しているのではない。ただし、今回の法案だけは税と社会保障の一体改革と言いながら、社会保障対策の方は「今後必ず議論しますよ。」というだけで先送りされたことが納得できない。「今度とお化けは出たことない。」というとおり、今度決めるというのは何も決まらないことに他ならない。こんなひどい法律に、まじめな大多数の庶民である日本国民は絶対に騙されてはならない。

おりしも先週の金曜日、大飯原発再稼働に反対する有志が首相官邸前に集まりデモを行った。ようやく鈍い日本国民も、ついにNOの意思表示を徐々にではあるが示し始めたようだ。今回の採決に関しても、多くの国民が注目していることだろう。私が言うまでもないが、日本国民は今こそ政治への無関心やあきらめを止め、自身の意見や考えをしっかり持ちその考え方に対してどの議員が合っているかきちんと説明ができるかを見定めなければならない。今回の消費税増税法案にどの議員が賛成し、どの議員が反対したかをしっかり目に焼き付けることである。かならず近い将来、衆議院の解散総選挙が行われる。消費税増税は、少なくとも庶民の生活にマイナスの影響を与える。ほんの一部の高所得者のみには、プラスの影響を与えることだろう。社会保障などの見返りが約束されていない以上、庶民にはマイナスの影響しかないことを重ねて強調したい。総選挙では、法案に賛成した議員を落選に追い込むしか我々国民が自衛する方法はないのだ。

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