福地公認会計士事務所

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公認会計士 福地徳恭

税理士の税務調査立会は必要か?2

さて、前回に引き続きお話しします。

税務署は税理士が立ち会わない場合と立ち会う場合とで、対応は変わるのでしょうか?これはみなさん、一番の興味深い話かもしれませんね。
ずばり、対応は変わります。

私がいたころの税務署では、次の2点が調査部門の重点項目でした。つまり、
・実調率(税務署管内の法人等納税者数に対する調査件数(年間))
・増差税額(調査による増加徴収額、すなわち、調査によって上がった税額)

上記の実調率はひたすら件数を稼ぐというものです。「とにかくあらゆるところに調査にイケー」、という感じですね。彼らは徴税の公平性とかなんとかという大義名分をかざしてちゃんと公平に調査対象をばらしてやってますよーということを主張するのですね。
そして、次の増差税額、これが個々の調査官を具体的に評価する元になる指標だと思います。つまり、1番目が単なる数稼ぎなのに対し、2番目は実際に増差を生み出す調査先を選定しそこからいかに税金をたくさん取り立てるか、ということで増差税額こそ各調査官を評価する元になるのです。

そして、税務署の移動は7月10日前後に行われ、その後の3か月すなわち7月下旬から11月くらいまでの調査が最も各調査官の業績評価の対象となるのです。彼らも必死です。ここからもお分かりいただけるかと思いますが、増差をあげて出世のための評価を得たいわけですから、少しでも短期間で楽に稼げる調査先を異動後の3か月間の最初に選定しようとするわけです。となりますと、調査先に顧問税理士がいないところは相手からの反論が弱いわけですから、当然に真っ先に調査対象先に選定しようとする調査官心理が働くわけです。

少しでも楽なところ・・・。ここです。

やはり、税理士が立ち会わない、顧問税理士がいない会社は、税務署にとって増差をあげやすい調査先として真っ先に調査対象先に選定される可能性が高いということです。そして事実、税理士が立ち会わない会社さん等に対して彼らは、理論的合法的でない主張を平気でしてくる事実がありました。私が事後的にサポートした会社さん他の経験則でそう言えます。

税法は結構難解です。そして、税務調査官もなんだかんだ言って胡散臭いおっさんが多いです。それらに、素人が自前で対応するのはなかなか大変だと言わざるを得ません。

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