最近、政治の問題のあまりのどうしようもなさにここで触れるのをやめようと思っている。
しかし、私のクライアントの関係で蘇州に訪問したことを記載した後で、中国での反日デモが及ぼしている影響について語らないわけにはいかないし、実際に私が訪れた蘇州で反日デモが本当に起こっていることを改めて現地の従業者から聞いた以上、このことについて記載せずにはいられないので、記載いたします。
戦後の今までの中国の反日デモでこのような事態が起こったことは無かっただろう。そして、近年記憶に新しいところでは、ニュースとなった2005年の状況とも明らかに違うようである。規模や被害の様相がひどい。そして、マスコミによる偏重報道ととらえようとも今回は明らかに異なる。破壊の様相が違う。実は、私は報道を半信半疑にしてあまりひどくとらえていなかったのだが、今月15日に蘇州の親交のある中国人から生の声を聞き、本当に実際にあちこちで深刻なデモや破壊活動が起こっているということを現実に知った。これは、本当に大変な事態なのだとわかりました。
しかし残念ながら、それに対する日本政府の対応は、何とも頼りない。冷静に対応しよう、という野田総理の発言は最初は冷静な日本国の発言としてもっともかとも思われたが、徐々にあまりにも激しい中国国内の反発に対しては、単なる無策だということを改めて思いしらされた。こんなことをされて、何が冷静な判断だ?!これは国外とはいえ、同朋に対する明らかな犯罪行為・戦争ではないのか?黙っていていいこととそうではないことがわからないのだろうか。日本政府も日本国民も。
さて、それでも一度現地の中国人(もちろん親日本で・国際感覚のある中国人)と親交を感じ取ったと勝手に思っている私は、このまま日本と中国との関係が決定的にダメになるとは思っていません。また、日本にいらっしゃる在日中国人(近所にもいっぱいいらっしゃいますね)の方々は、今回のことを非常に残念で恥ずかしいとと思っていらっしゃるのではないでしょうか。はっきりとは言えませんが、私は感じ取れます。私は、日中の関係は世間でいうほどそんなに軽く浅くないと思います。そう信じています。デモは暴徒化しない限り、誰も否定はできない行動だと思います。今の日本でやっている、「さよなら原発デモ」は国民を無視する民主党政権に対する礼儀正しい静かなる抵抗意思表示でしょう。それと同じ行動礼儀ならば、中国人のデモも国際的に決して否定されることはないでしょう。
私は、まずは一刻も早く、中国人の反日デモがこのような静かなるデモに変容していくことを望みます。
そうなれば、中国人日本人同士の今までの親交の歴史が、改めて真実であるかどうかが問われることになるのです。すべては、一人一人の現実の親交がお互いの国の将来を物語ることになるのではないでしょうか。私はそう信じます。