福地公認会計士事務所

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公認会計士 福地徳恭

那須塩原の現状

先週、仕事で不動産の調査のため那須へ出張した。

まず、那須塩原市の市役所入口で目にしたものは、現在の放射線量の立札だった。毎時0.15μシーベルト。新聞等で報道されている東京の放射線量が0.07とかだから、約2倍の高線量だ。単純に年間換算すると1.314㎜シーベルトで国際基準の年間1㎜シーベルトを上回る。やはり、那須はいまだに空間放射線量が高い。

そして、もっと驚いたのが明治の森黒磯という道の駅である。そこの立札には、地上50cmの高さの空間放射線量が毎時0.45μシーベルトと記載されていた。那須塩原市役所のさらに3倍の高さである。ということは、年換算では約4㎜シーベルトになる。日本政府が、居住制限放射線量を年間20㎜シーベルトに引き上げた理由がここにあると思った。国際基準の年間1㎜シーベルトでは、福島県の2/3以上と栃木県や茨城県のかなりの部分が避難対象区域に指定されてしまい、政府がつぶれてしまうからだ。

こんな高放射線量の中で、普通に地域の方々が暮らしている。もちろん、子供たちもいて外で遊んだりグランドなどでスポーツを熱心に行っている。今までと何も変わらないかのように。そして、他県から観光等で来た方々も、何事もなかったかのように過ごしている姿を目にした。私たちもそうであるように。

福島の一部の方々を除いて、原発事故のことはもうすでに大したことではないと受け入れられてしまったのだろうか?このまま、再び景気回復を祈り実際に景気回復すれば、それでまた日本は良くなると思っているのだろうか。日本はそれで良いのだろうか。私はそうは思わない。このまま、この問題を放置して、時がすべてを解決してくれるほど甘くないと思う。

私があらためて那須の空間線量の高さを知って、原発からの放射性物質の飛散はやはりまだ収束していないのではないか、と。また、福島原発の地下水から海へどんどん放射性物質が漏れ出したままであり、海の汚染も垂れ流し状態であるのだと。そんなことを確信している。そんな状態で、この国の国民が健康に幸せに暮らし続けることなどできるわけないだろう。それにもかかわらず、においも色もついていない放射性物質であるから、皆その汚染の心配など忘れてしまってひたすら以前のままの幸せな暮らしが続けられると勘違いをしてしまっているのではないか。

昨日でつまらない参議院選挙が終わった。反原発を掲げた山本太郎氏が当選した。私も彼に一票を投じたが、彼に多くを期待してはいない。何故なら、一人の無所属議員がいくら頑張ったところで、何も変わりはしないことは過去の歴史が物語っている。ましてや、他の政党と組んだり他の政党へ入党するなどしたなら、より目的達成は困難となるだろう。それでも、彼の活躍にしか他に期待するものは何もない。何はともあれ、いったん事故を起こしたなら取り返すのつかなくなる原発というものに対して、最後までノーの姿勢を貫いてほしい。

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