福地公認会計士事務所

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公認会計士 福地徳恭

オリンピックは東京には来ない。

ここへ来て、東京にオリンピックが来そうだとか東京が一歩リードしているとかおかしなニュースやうわさが聞こえてきている。しかし、私はどこからそのようなニュースが聞こえてきても一切信用していない。

まず、福島原発廃炉処理がすでに破たんしていることはさまざまな本や情報に日々目を通している賢明な方々には明らかだ。タンクの水漏れ・ろ過装置からの水漏れ・そして流入している地下水の汚染そして海への流出。どれも元々対処が困難な問題だったはずで、東電だけで処理させようなどということは土台無理だったはずだ。政府が先頭を切って対応をしてこなかった、あるいは、できなかったということだ。

ところが、ここへ来て安倍総理が政府が責任を持って対応する東電任せにしない、と言い出したのが約1か月くらい前だろうか?そして、400億とか500億円という国費を持って地下水の問題に対応します、と言い出したのが先週だ。それもこれも、今になって私も分かったのだがオリンピック招致のためのアピールをせざるを得ずに出たアナウンスだ。

しかし、いよいよ招致結果が今週末に出るということで日本の招致委員のお偉方などがブエノスアイレスで「原発からの汚染水漏れの対応はきちんとできているのか?」という質問をしつこく強烈に浴びせられているらしい。それに対して、「政府が責任を持って対応しているので大丈夫です。」「東京は全く安全です。皆さんの心配は100%ありません。」と断言しているとか。でも、質問をしている海外の記者はそんな発言を言葉通りに信用していない。そうだろう。いったい何を根拠に汚染水対策は大丈夫だと断言しているのだろうか。そして、本当に東京は放射能汚染の心配は全くないのだろうか?

そうしたら今日の菅とかいう官房長官の発言には驚きしかなかった。「福島の放射線量は、許容される年間被ばく量の世界基準である年間1㎜シーベルトの1/100程度しかありません。」といつものスピーチ場(官房長官が記者会見している場所を何というのか忘れてしまった)で言ったのだ。何の根拠をもとにこんな発言ができるのだろうか?東京だって、新聞で公表されている数字から計算すると、0.5ミリシーベルト位にはなるというのに。こんな大嘘つきか大ばか者が官房長官をやっている日本を見て、海外のどの記者が日本を信用するのだろうか。ましてや、IOCの投票をする委員はどう見るだろうか。

私だって自虐的になりたくはない。オリンピックが東京に来てくれれば、おそらく、そんなに身近にオリンピックを見ることができる機会は生きている間にそうないと思う。だから、身近に見てみたい。しかし、残念ながらその期待を私は持つことができない。私は断言する。少なくとも、2020年のオリンピックは東京には来ない。もしその予想が外れて東京に決まったら、それはオリンピックの性質自体が変わる画期的転換点になる事件だろう。どのみち、結果にはあまり興味がないというのが私の本音だ。

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