厚生労働省の見込み通りとはいかなかった模様だ。すなわち、医療保険財政難から打ち出された介護療養病床を早期に廃止する策は、結局受け皿となる在宅介護や在宅診療の体制が整わず、2011年度末までが2017年度末までに廃止期限を延長したにもかかわらず、2017年度末以降も継続せざるを得ない状況になったことが、9月1日付の日経新聞で報道されていた。
特に、厚労省は介護型療養病床をすべて廃止するとしていたが、在宅介護時に利用できる在宅介護サービス利用者が想定通りに伸びず、むしろ仕事を持った家族が在宅での介護に消極的であり今後も病院での介護を望む者が増加していく傾向があると思われる。
となれば、療養病床の存続で医療保険制度はさらに過酷な負担を強いられることが確実となる。それでは、その負担のかわりに何が保険負担軽減のために切り落とされていくのだろうか。こういう記事の裏には、必ず、他の負担増を国民に求めていく前宣伝が隠されていることを肝に銘じなければならないと思う。