先日の当事国閣僚会議が最後と言われていたTPP交渉は、結局合意に至らなかったと報道された。まだ、今後の話し合いは継続するとかの含みがありそうな気配であるが、本当にそうなのだろうか?ニュージーランドが乳酸品で強硬姿勢に出たことですべてがつぶれたような報道だったが、どうもそうではなくまだまだ各国との溝が深く、米国と日本が同調して押し込めようとしてもダメだったということではないか。今月の次の交渉は見送られたというし、その後の予定は白紙なのではないか。
それにしても、TPPはこのまま合意せずに漂流(終わってしまう)してしまう方が良いのではないだろうか。最大の理由は、日本の医療制度に対する影響だ。現在の国民皆保険制度の維持である。アメリカのオバマ大統領による国民皆保険制度導入は、日本のそれとは全く異なるようである。日本のように、誰でも良質で均一の医療が受けられるという大前提が無いようだ。アメリカでは皆保険の担い手が民間で、保険会社の利益が前提にある。だから所詮、貧しい人が負担できる保険料ではないのだ。それどころか、医療破産者が多数出るほどアメリカの医療費は高額だという。
詳しいことは良くわからないが、最近読んだ本でアメリカ医療制度の影を知った。TPPで日本の医療制度がアメリカ的になってしまわないように、祈るばかりである。TPPはもう、終わってほしいと私は思う。