もうだいぶ前になってしまうし、後出しじゃんけんだといわれるかもしれないが、それはそれで構わない。私は、舛添前東京都知事が失脚して選挙になった時、次は著名な女性が立候補すれば必ず勝つだろうと思った。そして、早速蓮舫氏の名前が取りざたされて、蓮舫氏がなるだろうと思ったのだが出馬せず、続いて小池氏が立候補したのでそれならば小池氏が勝つだろうと思った。なぜならば、石原氏の後の男2名が立て続けに金の問題で辞任したから、それならば、女性の方がその辺りはきちんとしているのではないか?女性がやった方が良いんじゃあないの?という何の根拠もない期待から来る世論や風潮が強くなるだろうと思ったからだ。結果はご存知の通り。一方の蓮舫氏は民進党の代表に就任したし、しばらくは政治も女性の時代になるのではないか。
小池氏が都知事に就任してまもなく、豊洲市場の盛り土無し問題を発表して、いままでの都知事や都政はいったい何をしてきたんだという都民の想いとともに、小池知事はやっぱりやるじゃないか、という世論がどんどん増長しているのが現状である。公約通り、知事報酬半減や保育所の待機児童問題にも早々に着手している。全く、最近の政治というか行政はひどいものだと改めて知らされた。官僚は優秀だという神話もどこかに消え去ったようだ。
ところで、小池氏は国政を捨ててまで都知事に転身しようとした当時の狙いはいったい何だったんだろうか、と最近改めて思う。一つ間違えば政治生命が終わる可能性もあるほどのリスクを冒してでも、自民党の支持なしに無所属で立候補したのだ。よほどの信念があったと思わずにいられない。普通に考えれば、現在の自民党にいても存在感を出せなくなった、つまり、干された状態だったと考えるのは私の勘違いであろうか?都知事に立候補するまでは、少なくとも私は小池氏のマスコミへの露出度はここ最近ほとんどなかったと思う。よほどの何かをやり遂げたい、表舞台に出たい、という彼女の相当な思いがあったはずである。
近々政治塾を立ち上げるという。これも素直に考えれば、将来の小池新党への足掛かりに見える。となると、都知事→都政の改革(新党による都議会議員の増加・影響力アップ)→都民<国民層からの支持の増大→総理大臣への期待→国政への再転身→小池新党が国会で第1党→総理大臣、というのが彼女の壮大なるシナリオなのではないか?もちろん、まだ第1歩を踏み出したに過ぎない。しかし、豊洲市場問題により小池氏は都民だけでなく国民全体から注目を集める千載一遇のチャンスを得たのではないだろうか。このかじ取りの結果次第ではあるが、都知事への支持率はうなぎ登りにアップするだろう。次の総理大臣への期待度は、現状のどの候補者とも比較にならないほど大きくなるのではないか。私は、今の政治経済など日本全体が覆われている閉塞感を打ち破ってもらうためにも、小池都知事には大いに暴れてもらいたいと願っている。その暴れ方は、静かだが各急所に深く刺さる針のように、そこから腐った膿をあぶりだすと同時に新鮮な血や活力が湧き出てくるような、そんな女性だからこそできる切り口ややり方で奮闘してもらいたいと思う。